先日、山形市六日町の古書店にて陶芸に関する本を見つけ購入しました。
『原色 現代茶陶のすべて』 黒田領治編著 光芸出版 1975年
『新版 ぐい呑み楽し』 光芸出版編集部編 光芸出版 1976年
どちらも1970年代の出版で、その当時の新進作家から人間国宝の作品まで多数紹介されています。
作品ごとにたまにユーモアを交えた鋭い講評が載せられており、これが作り手にとってははっとさせられるような内容になっています。
例えば、『原色 現代茶陶のすべて』で加守田章二に関して、
「練上手茶碗」
象嵌―印花―練上げ。紀元前にインカ帝国遺産の出土にありそうな,独自とか創作とか常套語には不可能。
「彩陶水指」
(前略)創作意欲も、加守田陶芸ほどの飛躍は天才的手腕なくしてよく成し得るものではない。(中略)どえらい作家が出現したものだ—―。
と書かれています。
写真はカラーとモノクロが半々くらいですが、モノクロの写真からもその作品の迫力が伝わってきます。
創作の刺激を求め、現代の新しいもの新しいものへと眼を向けがちでしたが、こういったやきものの原点(私にとってはですが)に確かな美があるのだと改めて気づくことができました。