私の器は、「陶器には見えない」と言われることがあります。
特に文様を描いた器は、よく「寄せ木細工のよう」とも言われます。
やきものを始めた当初は、(両親が色絵を行っていることもあり)将来は私も上絵付(うわえつけ)の方向へ行こうと思っていました。
そんな私が泥彩技法に出会ったのは、勉強を始めて4,5年たった頃です。
奨めてくれたのは父です。
まず縞模様などで、シンプルに色の組み合わせ(配色)だけを試してみたところ、とても面白く感じました。
その後、日本古来の文様など、形が複雑なものも描くようになりました。
中でも矢羽根、麻の葉、縞文様は好きでよく用いています。
これらの文様は、古来からのその確立された形ゆえに、安心感のある雰囲気をまとわせてくれるように感じます。
前回ご紹介したテーマの作品が「動」とすれば、こちらは「静」。
この文様のシリーズの時は、器に着物を着せるようなイメージで制作しています。
「泥彩矢羽根角皿」
「泥彩麻の葉文鉢」