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神保晃子

わたしの器 1


 私は、自然の風景や動物、日本古来の文様などを「泥彩(でいさい)」という方法で器に描いています(彩泥とも言います)。

泥彩とは、泥(粘土をドロドロにしたもの)で彩色するという意味で、素焼き前の素地表面に彩色を行います。

粘土は、その含有成分によって色合いが異なるため、これを絵具のように使うことができます。

色泥とも呼ばれ、例えば、鉄分の多い粘土は赤く、不純物が少ないものは比較的白い色になります。

 泥彩は、上絵や下絵、象嵌などとはまた違った絵付けの方法で、絵付けをするというよりは、装飾を施すと言った方がしっくりくるでしょうか。

「泥彩小皿」

 器の形と共に絵柄を考えますが、このノートに向かって図案を描く作業は苦しくもまた楽しい時間で、私はこの作業が好きです。

 全体のデザインはほぼ制作前に考え、これが出来てから実際に作り始めるので、ろくろや絵付けは設計図通りに作業を進めるといった感覚です。

目指しているのは、無機的なイメージの集合が有機的なイメージを作り上げていく、そんな世界です。

「泥彩小皿」は、水平線と雲、そして中央に集まる光を、

「泥彩小壺」は、色彩の組み合わせの美しさを表しています。

私のテーマは「無機から有機へ」      

これを器上に表したいと思っています。

「泥彩小壺」

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