靖之君が目指しているのは「シンプルで力強いもの」です。
と言っても、「シンプル」も「力強い」も、人それぞれでイメージするものは全く違うと思います。
(私もそうですが、自分の作りたいものを言葉で説明するのは難しいです・・・)
彼の中の、その「シンプルで力強い」イメージを表現できる技法が、
「天目釉(てんもくゆう)」「黒釉(こくゆう)」 (どちらも黒い色調の釉です)
「灰釉(はいゆう・かいゆう)」
「象嵌(ぞうがん)」でした。
「天目釉」の作品にについてご紹介します。
「天目釉」は、鉄分を多く含んだ釉の一種で、焼成中、釉が窯の中で変化し、その表情・景色を生みます。
成形や釉掛けのような作業と違って、焼成中に窯の炎が釉に起こす変化は、どんなにがんばっても自分の手の届かない領域があります。
天目釉は、特にこの炎の作用を期待していることもあり、良いものが出たときにはとても嬉しそうです。
「天目釉鉢」
「天目釉三角鉢」
靖之君の世界でした。